『ハーヴェステラ』は、11月4日にスクウェア・エニックスより発売された生活シュミレーションRPG。
ルーンファクトリーの開発スタッフが制作に関わっており、作物を育て動物を飼育する牧場経営とダンジョン攻略を行う農業とRPGを組み合わせたゲームとなっています。
特に「牧場物語」「ルーンファクトリー」好きは気になっている人も多いのではないでしょうか。
ですが体験版の評判が微妙だったりしたので、本当に面白いのか気になるところですよね。
そこで今回は『ハーヴェステラ』を実際にプレイした感想を余すことなくお伝えて行きたいと思います!
ハーヴェステラってどんなゲーム
ジャンル | ファンタジー生活RPG |
開発元 | スクウェア・エニックス |
発売日 | 2022年11月4日 |
機種 | Nintendo Switch PC (Steam) |
プレイ人数 | 1 |
おすすめ度 | 4 |
『ハーヴェステラ』は、FF・DQでもお馴染みのスクウェア・エニックスが開発する生活シュミレーションRPG。
- 作物を育てて牧場を経営するシュミレーション
- ダンジョンの探索・バトルを楽しめるRPG
2つを組み合わせたようなゲームです。
ゲーム内では時間経過の概念があり、1日朝6時~0時までの間は自由に行動が可能。
- ストーリーを進める
- 農作業に勤しむ
- ダンジョン探索に出かける
- 住民どのコミュニケーションを図る
など、プレイヤーの思うがままに生活を送ることができます。
ハーヴェステラの世界で1日1日を過ごし30日を過ぎると季節が移り替わっていきます。
ストーリーやイベントには制限時間は存在しないので、自分のペースで物語を進めることができます。
ストーリー
物語の舞台は、「シーズライト」と呼ばれる巨大な四つの結晶体が存在する惑星。
「シーズライト」は四季をつかさどり生きとし生けるもの全てが、その恩恵を授かっていた。
しかし、いつしかシーズライトに異変が生じ、季節の変わり目に「死季」が発生するようになる。
シーズライトは異常に発行し、大気を舞う塵があらゆる生命を脅かす。作物は枯れ人々は外を歩くことすらできない。
ある死季の日に、辺境の街で行き倒れていた主人公。
主人公と、とある少女との出会いが冒険の始まりを告げる。
・・・少女は言う。「たぶん、私は・・この時代の未来からやってきたのだと思う。」
死季の謎を究明しようとする少女ーアリアとともに、主人公はこの世界の真実に迫る旅路へと、歩みだすのだった。
出典:公式ホームページ
牧場生活
ハーヴェステラでは、生活の基盤として農業を営むこととなります。
牧場生活で得た作物や副産物は、出荷してお金にしたり、料理にして回復アイテムにしたりと様々な場面で活用できます。
農作業
主人公の家の前には、4角のマス目で区切られる畑が広がっています。
- クワで畑を耕す
- 畑に種を蒔く
- 作物が育つまでジョウロで水やり
- 育った作物を収穫する
といった流れで作物を育てることができます。
収穫した作物は、そのまま出荷してお金にしたり、料理にしてクエスト納品・回復アイテムとして活用できます。
家畜
リフォーム屋に依頼で家畜小屋を建設。商人から動物を購入することで動物の飼育も可能です。
- オムドリ:タマゴ
- メーチェ:ミルク
という副産物を得ることができます。
動物には愛情度も設定されており、毎日お世話することでさらに別の副産物を得ることもできます。
RPG
主人公たちは、四季を司るシースライトの異変の調査に臨みます。
シースライト周辺はダンジョン形式となっており、モンスターを戦いながら徐々に探索範囲を広げていきます。
戦闘方法は、通常攻撃とスキルを使い分けて戦うシンプルなアクションRPG形式。
緊急回避や防御・パティと言った複雑な操作は必要とせずアクションバトルとしては非常に簡素な作りで、通常のRPGと同様にレベルを上げれば進められるようにデザインとなっています。
ジョブ
ハーヴェステラでは、スクウェアエニックスらしくジョブシステムを採用しています。
- ファイター:素早い剣劇を放つ物理アタッカー
- メイジ:遠距離攻撃を特異とする魔法使い
- シャドウ・ウォーカー:双剣で致命傷を与える連撃アタッカー
などなど、合計12種類のジョブが用意されています。
戦闘中は予めセットしておいた3つのジョブを瞬時に切り替えることができます。
ブレイクゲージ
ボス戦では、4種類の弱点属性が存在しています。
弱点属性を付いてゲージをマックスまで持っていくことで、与えるダメージを増加させることができます。
仲間
ダンジョン攻略の際は、常に仲間キャラクターがパーティメンバーとして同行してくれ探索の手助けをしてくれます。
レベルは主人公依存。仲間のスキルボードの割り振りはできないため仲間を育成する要素は控え目です。
交流
仲間キャラクター・重要キャラについては、物語の進行に合わせてキャラクエストをクリアすることで親密度を上げることができます。
残念ながら恋愛要素はありませんが、「パートナー」と呼ばれる結婚に近しいシステムは用意されています。
トレーラー
評価点・面白かったところ
それでは実際に私がプレイしてハーヴェステラの面白いと思ったポイントを紹介させていただきます。
しっかりと楽しい牧場生活
とても楽。サクナヒメや牧場物語と比べれば管理しやすい。畑をガッチリやりたい人にはちょっと物足りないかも?
出典:Amazon
料理の種類の多さと農業のモチベについて
pon
回避がないからこそ農業・料理をするモチベに繋がります。
基本食べて回復しながらの殴り合い脳筋農家ゲームですし、スタミナの概念があるのでさらに料理のモチベが上がります。
やる事は多いですが、攻略攻略!と頑張らずに、この作物は来年の楽しみにとっておこうくらいのゆったりさでやるのが個人的には楽しいです。
出典:Amazon
メインコンテンツでもある牧場生活は、本家「牧場物語」「ルーンファクトリー」さながらの楽しさです。
冒険で手に入れた種・雑貨屋で購入した種を蒔いて、収穫して出荷すればお金が手に入ります。
農作業で手に入れたお金で
- 新しい種を買ってさらに儲けるか
- 畑を広げて収益率を高めるか
- 動物を購入するか
などなど、牧場を経営するシュミレーションの面白さはしっかりと継承されていました。
RPG重視!戦闘システムも面白い
バトル要素について
Amazonカスタマー
回避や防御がない事について言及してる人がいるようですが開発者インタビューで『回避や防御をシステムに組み込むと、アクションが上手い人と苦手な人の差が生まれてしまいます。』と答えられています。
確かにと思いましたね。誰しもアクションが得意な訳じゃありませんしね。
出典:Amazon
普通に楽しめる
RIFF099
バトルは回避やガードがない殴り合い。MMORPGみたいなもの。
アクションだと思って買うとガッカリする。
ジョブチェンジを駆使して相手の弱点を突いて火力で押し勝つ感じ。
出典:Amazon
口コミ・評判では、あまりアクション性が無く面白くないと言われていますが、ルーンファクトリーと比べると遥かに良質だと思います。
ハーヴェステラの戦闘は、ダンジョンの探索中接敵した敵とシームレスに戦うアクションRPG形式。
敵の攻撃をタイミングよく防御、緊急回避で躱すようなアクション性はなく、「通常攻撃」「スキルの使用」「ジョブの切替」の3つを使い分けて戦うコマンドバトルのような感覚で誰でも遊びやすいゲームバランスに仕上がっています。
バトルシステムとしてはシンプルですが、「ジョブの切替」が良いエッセンスとして輝きます。
ジョブチェンジすることで、使用する武器・通常攻撃のモーション・スキルが変化し、敵の弱点に合わせて切り替える戦術的面白さを作り出しています。
スキルの発動には1度放つとクールタイムが発生するので、ジョブを切り替えながらスキルを回していく戦い方もグッドでした。
また章のラストで戦うボス戦は、ステージギミックを利用しながら戦うアトラクションのような面白さを作りだしています。
BGMも熱く盛り上がる曲でスクウェア・エニックスらしい良質なRPGだと感じさせてくれました。
BGMが素晴らしい
本作のBGMは、鬼滅の刃でも有名な椎名 豪さんが担当。
代表作
- 鬼滅の刃
- テイルズオブレジェンティア
- ゴッドイーター など
ハーヴェステラは、音楽も素晴らしいと口コミ・評判でも絶賛されています。
町のBGMは、神秘的かつリズミカルな曲調で爽やかな気持ちにさせてくれ、ボス戦の戦闘曲は農業RPGとは思えないほど熱いBGMで戦いを盛り上げてくれました。
サントラが思わず欲しくなる出来だったので、気になる人は是非動画で聴いてみてください。
シナリオも凝っている
少しシリアスなストーリー+農業・料理・クラフト!
Hana
私としては、ここ最近発売された牧場系ゲームの中で1番面白いと思います。
ストーリーがシリアスめでしっかりしていて、サブクエストやキャラクターイベントにもしっかりストーリーがあり、この世界に生きる人達がどんな人達なのかが、きちんと描かれていると思います。
出典:Amazon
ストーリーが重厚でボリュームがすごい!
とんぼ
メインストーリーでは「どうなるの」と思った矢先思わぬ方向から「そう来たか」とぶん殴られる展開でグイグイ引き込まれ、一気に進めてしまいます!
無数にあるサブクエでは、どれとは言いませんが思わず泣き崩れるほど号泣してしまいました…。
とにかくストーリーが充実しているので、クスッとくるジョークで笑ったり泣いたりと忙しかったです。心してください!
出典:Amazon
ハーヴェステラは、シナリオ面も良質であると好評です。
- メインストーリー
- キャラクターエピソード
- サブクエスト
これら3つのシナリオで描かれており、それぞれテキスト量も多く物語の没入感を高めさせてくれます。
農業RPGには珍しく重厚なストーリーが用意されているので、ストーリー重視という人もきちんと楽しめると思います。
ストレス要素皆無で熱中して遊べる
良い意味で簡略化されたモーション
あんパン
主人公が持つ農具は、水やりとハンマーとクワの3つ。
小麦を収穫するのに鎌は使わない。
さらに、木材なども拾えるので斧も必要ない。
ストレスフリーなのに違和感無く、落とし込んでいるのが素晴らしい。
出典:Amazon
ハーヴェステラでは、ロード時間も短く、UIも優れており、非常に遊びやすいゲームだと感じました。
畑や動物のお世話など、毎日繰り返し遊ぶことになる農業ゲームでは「ロード時間」や「操作性の良さ」というのは非常に重要です。
- ロード時間については、マップの切り替えは多いものの各ロード時間は短く・住民への挨拶周りなどもないのでマップの切り替えの多さも気にならない
- 操作性については、ボタン配置も良くレスポンスも良いのでストレスに感じるようなことはなし。
毎日繰り返す作業にストレスが無いので、辞め時を失ってもう一日だけ、もう一日だけと熱中して遊んでしまう面白さを作り出しています。
問題点・悪かったところ
続いて、ハーヴェステラをプレイしてこれはちょっと・・と思った点を紹介させていただきます。
本家よりRPG+農業のシナジーが弱い
ハーヴェステラで一番気になったのは、RPGと農業のシナジーの弱さです。
ルーンファクトリーでは、畑で育てた作物を素材にして強力な「武器」「防具」「アクセサリー」を作り出すことができます。適正レベルの装備でなければ、ダンジョン攻略は難しいバランスなので、農作業をしながら強い装備を作り出してじっくりダンジョンを攻略していくのが醍醐味と言えます。
また、畑仕事や食事など日常のあらゆる動作で各種スキルのレベルが上がり、最大HPやスタミナが強化されるので、日常生活を送ることでキャラクターが強くすることも可能です。
このようにバトルで強くなるRPGではなく、農業を組み合わせて強くなるというのがルーンファクトリーの良さでした。
対してハーヴェステラでは、農業が戦闘に役立つ要素は、育てた作物を料理にして回復アイテムとして利用できるの1点のみです。
「武器」「防具」「アクセサリー」のクラフト要素は無し。戦闘は、敵を倒してレベルを上げればクリアできる難易度です。
- 戦闘はバトルでレベルを上げて臨む
- 農業はお金を稼いで牧場生活を充実される
というように、「農業」と「RPG」がそれぞれ独立している印象だったのが残念に思いました。
牧場要素が本家と比べると薄い
ゴリゴリのJRPGファンタジー世界を楽しめる作品って少なくなってる気がする
ららら
どちらかというと生活よりもRPG要素(ストーリー・探検)が強めなのでルーンファクトリーのような生活要素を楽しみにしてる人には少し物足りないかもしれません
出典:Amazon
牧場要素のやりこみ要素という意味でも、本家よりは劣っているかなと思います。
- 作物のレベルがない
- 作物の品種が少ない
- 動物の種類が少ない
- 料理のスキルレベルなし
また収穫した作物は、料理にするよりそのまま出荷した方が高額です。
「畑でレベルの高い作物を作って、料理にし高額で出荷してニヤニヤする」というのが「牧場物語」「ルーンファクトリー」の楽しみだったので、収穫したらそのまま出荷箱に入れるだけのハーヴェステラは少し味気ないかなと思いました。
コミュニケーション要素が薄い
「牧場物語」「ルーンファクトリー」では、住人とのコミュニケーションというのも作品の魅力の一つですよね。
しかし、ハーヴェステラでは、
- 固有キャラクターに町で話しかけても毎回同じ言葉を返してくる
- 毎月の祭り・イベントなどはない
- 恋人・結婚式もなし
というように住人との交流要素は皆無です。
用意されている交流要素は一部固有キャラクターで見られる専用のエピソードのみです。
街中で話しかけても同じ言葉しか返してこないこともあり、専用のエピソードを最後まで見終わった後は、戦闘以外では顔を合わせることも無くなるという悲しいゲームと化してしまいました。
キャラクターボイスが無い
この気合の入ったキャラクターイラストでボイスなしはかなりびっくりしました。
固有キャラクターは戦闘時に掛け声などは発してくれますが、メインストーリー、キャラクターエピソードには一切ボイスが吹き込まれていません。
テキスト量も多くシナリオにも気合が入っているのがハーヴェステラの特徴なので、物語の没入感を高めるボイスがないというのは残念に思いました。
Q&A
ハーヴェステラ気になってるけど、どうなんだろうと遊ぶにあたって気になる点を回答していきます。
牧場物語、ルーンファクトリー好きは買い?
本質的な面白さは変わらないので、牧場物語、ルーンファクトリー好きは楽しめると思います。
牧場要素、住民との交流要素は本家よりは薄め。
その変わりストーリー、音楽、戦闘は本家よりも優れています。
ロード時間ってどう?
マップの切り替えは多いですが、ロード時間はかなり短いです。
マップの切り替えの多さも住人への挨拶周りがないので、気になりません。
スタミナ制限が煩わしいって聞くけどどう?
気になるのは序盤だけです。
食事が安定して供給できるようになれば問題なしです。
難易度はどう?
かなり低めです。
レベルを上げれば簡単に勝てるゲームバランスです
難易度選択も残念ながらありませんでした。
時間経過って早い?
最初は早いと感じましたが慣れれば違和感はありません。
本家と比べると日課が少ないので毎日ダンジョン攻略に行けるくらい余裕があります。
総評・まとめ:RPGよりの生活シュミレーションゲームとしておすすめ
ボリューム | 1週60時間 |
ストーリー | 4 |
ゲームシステム | 4 |
グラフィック | 3 |
ゲームBGM・音楽 | 4.5 |
キャラクター | 3.5 |
おすすめ度 | 4 |
ここまでハーヴェステラを実際に遊んだ感想をまとめさせていただきました。
総評としては、生活要素の面倒な部分(やりこみ要素)は省いて手軽に遊びやすくバランスを整えたRPGよりの生活シュミレーションといった感じです。
おすすめポイント
- 牧場生活が楽しい
- RPG重視で戦闘システムも面白い
- BGMが素晴らしい
- シナリオが凝っている
- ストレス要素皆無で熱中して遊べる
突き詰めてプレイしていくと「RPGと農業のシナジーの弱さ」や「住人との交流の無さ」など、初作品故の粗があるかなという印象です。
しかし、「戦闘システム」「シナリオ面」「BGM」は本家よりも優れているので、RPG要素の強い生活シュミレーションゲームで遊びたいという人におすすめです。
▼牧場ゲーム好きにおすすめ▼
スクエニ版ルンファク
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