『Clair Obscur: Expedition 33(クレールオブスキュール エクスペディション33)』は、フランスの新鋭スタジオSandfall Interactiveが放つ、次世代のターン制コマンドRPGです。
その完成度は圧倒的で、The Game Awards 2025では見事「Game of the Year」を含む史上最多記録となる9冠を達成。世界中のゲーマーを熱狂させました。
私もこの作品に魅了されたゲーマーの一人。 なぜこの作品がそこまで評価されるのか?実際にクリアまで遊んだ感想を交えて、その魅力を余すところなくレビューしたいと思います!


エクスペディション33の基本情報
| ジャンル | リアクティブ・ターン制RPG |
| 開発元 | Sandfall Interactive |
| 発売日 | 2025年4月24日 |
| 機種 | PS5 / Xbox Series X|S / PC |
| プレイ人数 | 1人 |
| おすすめ度 | 5 |
『Clair Obscur: Expedition 33』は、Unreal Engine 5による実写と見紛うほどのグラフィックと、コマンドバトルにアクション性を融合させたシステムが特徴のRPGです。
クリエイター陣は「日本のRPG(JRPG)を愛してやまない」と公言。『ファイナルファンタジー』『ロストオデッセイ』『ペルソナ』シリーズなどから多大な影響を受けて制作されています。
2025年のThe Game Awardsでは「Game of the Year」を含む全9部門を受賞。
受賞タイトル
- Game of the Year:その年を代表する、総合的に最も優れたゲームに贈られる最高栄誉賞。
- ベストインディゲーム賞:独立系(インディー)スタジオが制作したゲームの中で、最も優れた作品賞。
- ベストパフォーマンス賞:キャラクターの演技(声優・モーションキャプチャ)が最も優れていた俳優への賞。
- アートディレクション賞:技術的な美しさだけでなく、芸術的なデザインや世界観の表現が最も優れていた賞。
- デビューインディー賞:初めてゲームをリリースしたインディースタジオの中で、最も優れた新人賞。
- ベストミュージック賞:ゲーム内のBGM、楽曲、サウンドトラックが最も優れていた賞。
- ベストRPG賞:ロールプレイングゲーム(RPG)のジャンルの中で、最も優れた作品賞。
- ベストナラティブ賞:ストーリー、シナリオ、物語の語り口が最も優れていた賞。
- ベストゲームディレクション賞:ゲーム全体の設計、演出、クリエイティブな指揮が最も優れていた賞。
史上最多記録となる9部門を制覇(9冠)し、名実ともに2025年を象徴するゲームとなった作品です。


ストーリー(あらすじ)
年に一度、謎の存在「ペイントレス」が目覚め、モノリスにひとつの「数字」を描く。それは呪いの数字。その年齢にある人々は煙となり、消え去ってしまう。
かつて大きな数字から始まったそのカウントダウンは、年々減り続け、ついに今年は「33」を描こうとしている。 明日になれば、世界中の33歳が死に絶える運命にある。
死の連鎖を断ち切る唯一の方法は、ペイントレスを倒すこと。 これまで数多の遠征隊が送り出されたが、誰一人として生きて帰った者はいなかった。
そして今、新たな死の年を迎える前に、「第33遠征隊」が最後の希望を背負って旅立つ。


攻撃も防御も気が抜けない「リアクティブ・ターン制バトル」
本作の最大の特徴は、従来のコマンド選択式バトルにリアルタイムなアクション要素を融合させた「リアクティブ・ターン制バトル」です。
攻撃時にはタイミングよくボタンを押すことでダメージが増加したり、追撃が発生。そして敵のターンでは、攻撃に合わせてタイミングよくボタンを押すことで「パリィ(弾き)」や「回避(ジャンプ)」が可能です。
コマンドを選んで終わりではなく、常に敵の動きを見極める必要があるため、ターン制でありながらアクションゲームのような緊張感と爽快感が味わえます。
死の呪いを描く「ペイントレス」と退廃的な世界観
舞台となるのは、ベル・エポック期(古き良きフランス)をモチーフにした、美しくも退廃的な世界です。
諸悪の根源である「ペイントレス」は、ただの怪物ではなく、死を芸術のように描く存在として表現されています。 彼女が描く数字によって人々が煙となって消えるという残酷な設定と、絵画から飛び出してきたような異形の敵デザイン。
Unreal Engine 5で描かれる圧倒的な美術センスが、この絶望的で美しいダークファンタジーの世界に深い説得力を与えています。
自由度の高い育成「スキルツリー」とビルド構築
キャラクターの育成は、スキルツリーと装備品によって自由に行えます。
ステータスを強化したり、新しい技を習得したりするのはもちろん、ピクトス(装備品)の組み合わせによって様々な特殊効果を得ることができ、同じキャラクターでも全く異なる性能に育て上げることが可能です。
「火力特化のアタッカー」にするか、「状態異常をばら撒くデバッファー」にするかなど、プレイヤーの戦略次第で自分だけの「ビルド(構成)」を無限に組み立てられる奥深さがあります。
評価点・面白かったところ
それでは、実際に『エクスペディション33』をプレイして面白かったところから紹介させていただきます。
UE5で描かれる息を飲むほど美しいグラフィック
まず目を奪われるのが、Unreal Engine 5(UE5)をフル活用した圧倒的なグラフィックです。 実写と見紛うほどの質感でありながら、ファンタジーの幻想的な美しさも兼ね備えており、ただフィールドを歩いているだけで感動します。
さらに素晴らしいのが、戦闘時の演出やエフェクトです。 魔法やスキルの輝き、攻撃時の重厚なエフェクトは凄まじいクオリティで、この豪華なグラフィック演出がバトルの爽快感と面白さを極限まで高めています。
光の表現やキャラクターの表情、装備の質感に至るまで、現行機の性能を限界まで引き出した映像美は、間違いなくトップクラス。とても33人の開発者で作成したインディーズゲームとは思えません。
戦闘が最高に楽しい!コマンドバトルの完成形
本作の戦闘システムは、間違いなくRPGの中で最高傑作と言える完成度です!
戦闘は、画像左のタイムラインの順番ごとにコマンドを選択して戦うオートドックスなものですが、とても良く考えられたシステムだと感じましたので、詳しく解説していきます。
AP(アクションポイント)の戦略性
※画像の右下。キャラクターのHPゲージ下の青いゲージがAPです。
まず、バトルの根幹を支えるのが「AP(アクションポイント)」の管理です。 強力なスキルほど多くのAPを消費するため、毎ターン回復するAPを「いつ、誰が、どう使うか」というリソース管理が非常に重要になります。
さらに奥深いのが、APはターン経過だけでなく、「通常攻撃」「パリィ」の成功や「ピクトス(装備)」の特殊効果によっても回復することができます。ただ待つだけでなく、プレイヤーの腕前や装備構成を駆使してAPを稼ぎ出し、攻撃にリソースを回す。APの供給と消費のバランスをコントロールする……この戦略性が、本作のバトルを唯一無二のものにしています。
また、バトルのアクセントとして素晴らしいのが、行動ターンを消費せずに撃てる「銃撃(フリーエイム)」の存在です。
イメージとしては『ペルソナ5』の銃撃に近いシステムですが、本作では単なる「弱点を突いてダウンを奪うための作業」ではありません。敵の弱点部位をピンポイントで狙撃して大ダメージを与えたり、厄介なギミックを破壊したり、「ピクトス(装備品)」の付与効果で状態異常を与えたり、戦術の要としてしっかり機能するバランスになっています。
「APを使う大技」の合間にこの「AP1の低コストで撃てる銃撃」をどう挟むか。コンボの繋ぎやダメージの底上げとして、アクション操作が戦術に深く組み込まれている点が秀逸でした。
キャラクターの個性が光る戦い方の戦略性
また、キャラクターごとの個性が際立っているのも素晴らしい点です。 単に「魔法使い」「戦士」といったステータスの違いだけでなく、戦い方のメカニズムそのものが異なります。
- ギュスターヴ: 機械の腕(ガントレット)を使った「オーバーチャージ」システムが特徴。スキルや攻撃を行うたびに機械の腕に「チャージ」が蓄積され、それを一気に解放することで凄まじい火力を叩き出す。
- マエル: 状況に応じて戦法を変える「スタンス(構え)」。攻撃力は上がるが被ダメージも増える「攻撃の構え」や、防御性能を高めてパリィ時にAPを回復する「防御の構え」などを切り替えながら戦います。
- ルネ: 魔法攻撃の余波を蓄積する「ステイン」システムを持つ魔術師。 スキルを使うと属性ごとの「ステイン」が溜まり、それを消費することで次の魔法を強化できます。
- シエル: 太陽と月の力を循環させる「フォーテル」システムを持つサポーター。「太陽」のスキルで力を溜め、「月」のスキルで消費する……というサイクルを回すことでスキルの効果を高めます。
- ヴェルソ:攻撃ヒット数で「パーフェクション(ランク)」を高めて戦うスピードアタッカー。 攻撃や回避・パリィを成功させると「ランク」が上がり、与ダメージが最大200%まで跳ね上がります。一度でも被弾するとランクが下がる玄人向けのキャラです。
文字にすると少し複雑に見えるかもしれませんが、実際に遊んでみるとキャラクターごとに操作感や考えることが全く異なります。
それぞれの強烈な個性を理解し、最適な立ち回りを組み立てていく楽しさは、これまでのコマンドRPGにはない斬新な体験でした。
「死に技」がない絶妙な調整
そして何より感動したのは、「死に技(使わなくなるスキル)」が少ないことです。 RPGによくある「上位魔法を覚えたら、下位魔法はもう使わない」ということが本作にはありません。
消費APの少ない初期スキルにも、以下のような「状況に合わせた明確な使い道」が用意されています。
- マエル: 「スタンス(構え)」を低コストで切り替えるための始動技として使ったり、強力な状態異常を付与する手段として重宝する。
- ヴェルソ: 「パーフェクション」のランク維持や手数を稼ぐために必須。また、現在のランク帯に合わせて性能が変化する技もあり、使い分けが重要。
強力な技を打ち込むだけでない「全てのコマンドに意味がある」 この絶妙なバランス調整が素晴らしいと感じました。


コマンドバトルとアクションの融合!攻撃・防御ともに深い没入感を生み出す
従来のコマンドバトルでは、敵のターンは「ただダメージを受けるのを待つ時間」になりがちでした。しかし本作では、敵の攻撃に合わせてタイミングよくボタンを押すことで、攻撃を無効化したり、華麗にかわしたりすることができます。
中でも最高なのが、ジャストタイミングで防御を成功させる「パリィ」からのカウンターです。 「ガキン!」という重厚な金属音と共に敵の攻撃を弾き返し、スローモーションの中で強烈な一撃を叩き込む……。心地よいSEと派手なエフェクト演出が合わさり、まさに「脳汁が出るような快感」を味わえます。
また、攻撃時もタイミング良くボタンを押すことで、ヒット数や威力を底上げすることが可能です。 コマンドを選択して終わりではない、この程よい緊張感が、ゲームの世界への深い没入感を生み出しています。


キャラクターのビルド要素を考えるのが楽しい
キャラクターの育成において、重要なのが「ピクトス(装備品)」の存在です。
一般的なRPGでは、装備といえば「攻撃力アップ」や「HPアップ」といったステータスの数値上昇がメインになりがちです。 しかし本作では、「ショットでやけど付与」や「パリィ成功時AP+1」など、プレイスタイルに直結する多種多様な特殊能力が付与されているのが特徴です。
これらとキャラクターの固有能力を組み合わせることで、驚くような化学反応(シナジー)が生まれます。
- ヴェルソ × 武器「デュアリソ」× ピクトス「コンボ攻撃」「エナジャイズアタック」
武器「デュアリソ」の効果で「通常攻撃後にもう1度行動」が可能になります。
これにピクトス「コンボ攻撃(ヒット数増加)」と「エナジャイズアタック(通常攻撃時のAP回復量UP)」を組み合わせることで、「通常攻撃でAPを大量回復し、即座に再行動でスキルを叩き込む」というムーブが完成します。- マエル × ピクトス「バーニングショット」「ダブルバーン」「クリティカルバーン」
銃撃(ショット)で状態異常をばら撒く構成です。
「バーニングショット」で火傷を付与し、「ダブルバーン」でその蓄積値を2倍に増幅。さらに「クリティカルバーン」の効果で、火傷状態の敵に対してクリティカル率が跳ね上がります。
単に数値を盛るような効果ではなく、これほどユニークな効果を多数用意し、それらが破綻せずにゲームとして面白く成立している設計の素晴らしさには脱帽しました。
「このキャラの能力と、このピクトスを組み合わせたら最強では…?」と思いついた戦術がバチッとハマった時の快感はたまりません。手に入れた武器とピクトスの中から組み合わせを考えて「最適解」を導き出すプロセスが面白く、ビルド構築好きにはたまらない作品でした。


ゲームバランスが理想的!ストレスフリー・遊びに変化を持たせて飽きない設計
本作のゲームバランスは、まさに理想的と言えます。 このゲームの面白さを支えている大きな要因ですので、その理由を詳しくお伝えします。
雑魚戦はサクッと。ボス戦は白熱の死闘を
道中の雑魚戦は、フィールドアクションでの「先制攻撃」や、武器やピクトス(装備)を「対雑魚戦」用に火力特化させることで、敵に何もさせずに1ターンで殲滅することも可能です。 テンポよくサクサク進めるため、広大なマップの探索もストレスフリーで楽しめます。
一方で、ボス戦は一転して「死闘」となります。 ボスは体力も攻撃力も桁違い。ただ攻撃ボタンを連打するだけでは絶対に勝てません。
敵の強力な攻撃パターンを見極めて「パリィ」し、限られたAPを管理してここぞという場面で最大火力を叩き込む……。一瞬の判断ミスが命取りになるヒリヒリとした緊張感があります。
「雑魚戦はサクサク爽快に、ボス戦はじっくり戦略的に」。 このメリハリがしっかりと効いているため、長時間プレイしても中だるみすることなく、熱中して遊び続けられる面白さを生み出しています。
ストーリー進行で戦術が進化!最後まで飽きさせない「変化」をもたらす
戦闘のメリハリだけでも素晴らしいですが、さらに見事なのが「ストーリー進行に合わせてプレイ感を変化させる工夫」です。
物語の終盤までは1ヒットあたりのダメージ上限が「9999」に制限されていますが、ある段階から「ダメージ限界突破(9999以上のダメージ)」が可能になります。
これにより、それまでの戦い方から「いかに一撃の火力を高めるか」というプレイスタイルへと戦略がガラリと変化します。 武器とピクトスの組み合わせを再考し、桁違いの大ダメージを叩き出す瞬間はかなりの爽快感です。
終盤・クリア後は大量の「寄り道要素」が解放されますが、このシステムの変化によってゲームプレイそのものが新鮮に生まれ変わるため、膨大なコンテンツも飽きることなく、最後まで熱中して遊び尽くせる設計になっていました。


フィールドを自分から探索したくなる楽しさがある
本作では、ストーリー進行上、立ち寄る必要のない「寄り道ダンジョン」が非常に多く用意されています。しかし、それらが決して「水増し」にはなっておらず、むしろ自分から隅々まで探索したくなるような設計になっています。
その最大の理由は、探索報酬である「武器」や「ピクトス」の存在です。 これらは単に「攻撃力が上がる」といったステータスの数値が変わるだけではありません。「特定条件で再行動」「状態異常の付与率2倍」「状態異常の時クリティカル率が上がる」といった、戦術をガラリと変えてしまう強力な「特殊効果」が付与されているのです。
「あの寄り道ダンジョンの奥には、今のビルドを劇的に強くする装備が眠っているかもしれない…」そんな期待感がプレイヤーの探求心を刺激するため、膨大な寄り道要素も「やらされている感」がなく、むしろ「自分から探索したくなる」素晴らしい設計でした。


ストーリーも深い!映画を見ているような没入感
システムだけでなく、ストーリーも考察のしがいがあり、非常に引き込まれました。
ストーリーの設定が面白い
本作の舞台は、謎の存在「ペイントレス」によって支配された世界。 彼女が年に一度目覚めて巨石に「数字」を描くと、その年齢の人々が全員、煙となって消滅してしまう……という絶望的な設定から物語は始まります。
プレイ中に常にプレイヤーを惹きつけるのが、「なぜペイントレスが数字を書くと、人が消えてしまうのか?」という根本的な謎です。 単なる「呪い」や「魔法」の一言では片付けられない、この世界の残酷なルールと、その裏に隠された「理由」。
物語が進むにつれて、点と点が線に繋がっていく感覚は鳥肌ものです。 その設定の作り込みが非常に深く、美しいグラフィックと重厚な演出も相まって、まるで一本の長編映画を見ているかのような深い没入感を味わうことができました。
「脚本の都合」を感じさせない、行動原理の深さ
物語を追っていて感心したのが、登場人物たちが「脚本の都合」で動かされていない、きちんと「目的」と「信念」を持って行動している点です。
RPGなどの物語では、時として「ストーリーを進めるために、キャラが不自然な行動をとる(性格が変わる)」ような違和感を感じることがありますが、本作にはそれがありません。 敵対する者も含め、登場するキャラクター全員が、それぞれの譲れない「目的」と「信念」を持って行動しています。
特に印象的だったのが、謎多き人物「ヴェルソ」です。 最初は謎だらけの彼が、なぜ遠征隊を助けるのか。単に「世界を救いたい」「敵を倒したい」といったありきたりな理由ではありません。 遠征隊を助ける彼には、彼なりの「動機」が隠されているのです。
その理由が明かされた時、「なるほど、だからあの時あんな行動を取ったのか…!」という全ての伏線が回収されるような納得感と衝撃を味わえました。
作り手の都合ではなく、キャラクターがその世界で「生きている」からこそ生まれるドラマ。 このリアリティが、物語への没入感をさらに深いものにしていました。


戦闘と物語を最高に盛り上げる壮大なBGM
※町の曲
※特殊ボス戦
戦闘システムやグラフィックも素晴らしいですが、忘れてはならないのが物語や戦闘を盛り上げる「BGM」の存在です。特にボス戦で流れる楽曲はどれも壮大で、ヒリヒリとした死闘の緊張感を最高潮まで高めてくれます。
驚かされたのが、その楽曲の種類の多さです。雑魚戦・ボス戦ともに、シチュエーションや敵のキャラクター性に合わせた専用の楽曲が数多く用意されています。 悲壮感漂う旋律から、血がたぎるような激しいオーケストラまで、そのバリエーションは圧倒的です。
そして極めつけは、「ムービー演出」と「音楽」の完璧な融合です。ボスが登場するムービーシーンから、シームレスに戦闘BGMへと繋がる瞬間。バトルが佳境に入った瞬間に曲調が変化する演出は、まさに鳥肌モノ。このゲームの面白さを底上げしている、非常に重要な要素だと感じました。


問題点・悪かったところ
それでは、実際に『エクスペディション33』をプレイして悪かったところを紹介させていただきます。
間違いなく面白いゲームですが、人を選ぶところもあるので、購入前にチェックしてみてください。
日本語ボイス未収録…字幕を読むのが少し大変
本作は残念ながら日本語ボイスが収録されていません(英語音声・日本語字幕のみ)。
グラフィックが非常に美しく、キャラクターの表情もリアルに作り込まれているのですが、ストーリーを理解するためには常に画面下の字幕を目で追う必要があります。
そのため、せっかくの迫力あるムービーシーンや、戦闘中の掛け合いの最中に、映像そのものに100%集中できないのが少し惜しいと感じました。
ただ、翻訳テキストのクオリティは非常に高いです。 海外ゲームにありがちな不自然な日本語(直訳調)は一切なく、キャラクターの性格や世界観に合った自然なセリフ回しになっています。


ミニマップがないため探索で迷いやすい
プレイしていて地味にストレスを感じたのが、画面上に「ミニマップ」が表示されない点です。
本作のフィールドは入り組んでいる場所も多く、高低差もあるため、方向感覚を失いやすい作りになっています。しかしマップがないので今どこにいるのか迷子になりがち。
「次はどっちに行けばいいんだ?」「あとどこに行ってないんだ?」と右往左往することになるため、快適さを重視する人にとっては少しストレスに感じるかもしれません。


アクション性(パリィ・回避)が人を選ぶかも
本作の戦闘システムは「コマンドバトル」に「アクション」を融合させた斬新なものですが、これが人によっては合わない可能性があります。
特にボス戦では、敵の激しい猛攻に合わせて正確に「パリィ」や「ジャンプ回避」を入力し続ける必要があり、タイミングを誤ると大ダメージを受けてしまいます。
そのため、敵の攻撃モーションを完全に覚えるまでリトライを繰り返す、いわゆる「死にゲー」に近いプレイ感になります。 一般的なコマンドRPGだと思って挑むと、常に高い集中力を求められるこの戦闘システムが「ストレス」や「疲れ」に繋がってしまう恐れがあります。


ストーリーは難解に感じるかも
ストーリーの設定が作りこまれている・考察のしがいがあるとのは良い点でもありますが、裏を返せば「世界観や設定がかなり複雑」であるとも言えます。
本作は冒頭から独自の設定や、「ペイントレス」「ルミナ」「クロマ」といった専門用語が次々と飛び出してくるため、最初のうちは理解が追いつかないかもしれません。
物語の核心となる部分は設定が非常に難解なので、考察サイトや解説記事を読まないと、全てを理解しきれないかもしれません。


総評・まとめ
| ボリューム | 60時間(クリア後の寄り道含め) ※寄り道なし 30時間 |
| ストーリー | 4.5 |
| ゲームシステム | 5 |
| グラフィック | 4.5 |
| ゲームBGM・音楽 | 5 |
| キャラクター | 4 |
| おすすめ度 | 5 |
『Clair Obscur: Expedition 33』は、考察しがいのある複雑かつ魅力的なストーリー・物語・戦闘を大いに盛り上げるゲーム音楽・「ピクトス」を組み合わせた「ビルド構築の楽しさ」と「コマンドバトル」の完成形とも言える戦闘システムが見事に融合した傑作RPGでした。
特に評価したいのが、プレイヤーを熱中させる「ゲーム設計」の巧みさです。
- 戦闘の深み: AP管理やキャラごとの個性的な戦い方で戦況をコントロールする戦略性。「パリィ」の爽快感が合わさり、常に緊張感と楽しさがある。
- ビルドの奥深さ: 装備(ピクトス)の組み合わせで戦術が無限に広がり、「死に技」がないバランス調整が素晴らしい。
- 探索の動機付け: 強力な装備が手に入るため、「やらされている感」がなく、自ら進んでマップの隅々まで探索したくなる。
- 濃密なプレイ体験: 寄り道なしなら20~30時間ほどでクリアできるが、無駄な引き伸ばしが一切なく密度が濃いため、プレイ時間以上の圧倒的な満足感が得られる。
- 物語の没入感: 「脚本の都合」を感じさせないキャラクターの行動原理と、謎が謎を呼ぶ重厚なストーリー設定。
- 音と演出の融合: 場面ごとの壮大なBGMと、ムービーからシームレスに繋がる演出が熱いドラマを最高潮に盛り上げる。
これらが絶妙なバランスで噛み合っており、ゲームとして極めて高い完成度を誇っています。
日本のRPGから多大なインスピレーションを受けた作品ですが、そこにフランスならではの洗練された芸術性と重厚なストーリーを巧みに落とし込むことで、唯一無二の世界観を築き上げています。
さらに、アクションと戦略が融合した完成度の高いバトルシステムによって、単なる「日本のRPGのリスペクト」の枠には収まらない、『エクスペディション33』という独自のゲーム性を見事に確立していると感じました。
こんな人におすすめ
- 戦略的なコマンドバトルが好き・キャラクターのビルドを楽しみたい
- 戦略だけでなく、プレイヤースキルも活かしたい
- 考察しがいのある重厚なストーリーを楽しみたい
- ゲーム音楽が好き
RPGゲーマーの魂を熱くさせてくれる一本です。 2025年のThe Game Awardsで「Game of the Year」を含む全9部門を受賞したのも納得できる作品だったと思います。
何十年に一度生まれるかどうかの「奇跡の名作」だと思いますので、RPG好きの方はぜひ遊んでみてほしいです。
































